講師ブログ
2025年8月7日
昨年の思い出
昨年から進学塾ISMの小中部・個別指導会の講師としてお世話になっております、池下と申します。
右も左も分からないまま入社してから早いもので二年目に突入し、すでにある程度の期間が過ぎましたが、ここでは昨年に自分が経験した生徒との出来事の中で、特に印象深いエピソードを振り返ってみたいと思います。
その生徒を担当したのは昨年の4月からです。はじめのうちは特に目立った印象もなく、淡々と授業を進めていました。
大きな変化が起こったのは、1学期の中間テストを迎える頃でした。なんとその生徒がテストで90点を取ってきたのです。本人曰く、こんな点数を取ったことは今までになかったらしく、自身でも驚いていました。高得点というだけでなく、初めての体験でもあったということで、二重の意味で僕も非常に嬉しかったのですが、本当に印象に残ったのはその後の生徒の変化でした。
というのも、中間テスト以降はこちらが何も言わずとも、自分で教科書を読んだりしながら自主的に(時には予習まで)学校のワークを進めていくようになったのです。このおかげで、テスト前には学校ワークがすでに完了しており、余裕をもってテストに臨めるようになりました。
こうして結果的に、その生徒は1学期の期末テストや2学期の中間テストなどでも同じように高得点を取ってきました。ワークを自主的に進めていくようになったとき、一体どのような心境の変化があったのか本人に尋ねたことがあったのですが、その時返ってきた答えは「1度良い点数を取ったために、これ以下の点数を取るわけにはいかないという意識が生まれた」というものでした。いい意味でのモチベーションが生まれていたのだと思います。
かなり前に流れていたCMで「やる気スイッチ」なるものを謳ったものがありましたが、まさにその存在を実感することができた体験でした。
僕たちは授業の時間内や校舎での自習時間内でこそ生徒をサポートできますが、校舎を出てしまえばそのあとは生徒自身が一人で勉強していくしかありません。その一人でいる時間を、いかにモチベーション高く学習に向き合えるようにさせられるかということが、教えるということ以上に大切なことなのだろうと思います。
また、その先にISMの目指す「自学自立の精神」があるのではないかと感じます。今回、自分が体験したようにそのきっかけはどこに潜んでいるか分かりません。もしかすると、最後まで見つけられないかもしれません。だからこそ、ありきたりではありますが、一回一回の授業を大切にし、生徒と向き合うことを大切にしようと再認識させられました。
もし、この文章を講師として働く前の自分が読んだならば、「塾でよくありそうな事だな」という感想しか出てこなかったかもしれません。
しかし、いざ現場に立って体験してみると、それは非常に新鮮なものでしたのでこの場で語らせていただきました。このような経験を何度も経験できるように日々精進していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。