講師ブログ

　こんにちは、高校数学担当の森蔭です。
　早いものでもう10月です。今日で大学入試センター試験まで「あと98日」となりました。高校3年生にとってはこれからが正念場です。理想と現実との厳しいすり合わせが始まります。「自分がしたいことの本質は何なのか」を突き詰めなければなりません。ここで自分自身と真剣に向き合った者だけが，次のステージに進むことができるのです。
　昨日，高校1年生の授業がありました。授業中にある生徒が，「先生はどうして数学の先生になったんですか？」という質問をしてきました。授業中だったので軽く取り計らおうすると，別の生徒が「俺，それ知ってます。ＢＢくんの日記（インターネットで公開されているそうです）に書いてあるのを読みました。だから，伊勢高では森蔭先生って有名ですよ。」と代わりに答えてくれました。思えば，確かに夏休みごろにＢＢくんから同じ質問をされ，その時は授業後だったのでゆっくりと自分が今に至った経緯を話した覚えがあります。そこで，「自分が数学とは全く畑違いの人間であったこと」，「自分には他の夢があったこと」，「それに固執しすぎるあまり精神を患ってしまったこと」，「それが原因で命を失いかけたこと」，「しかし，そのことで自分自身を根っこから見つめ直すことができたこと」，「その結果，夢の本質を突き詰めることができたこと」，「だから今でも毎日何時間も勉強し続けていること」などを話しました。詳しい話の内容はＢＢくんの日記に任せるとして，このように私は時間の許す限り，できるだけ自然に子供たちに自分のことを隠さずに話すようにしています。そのやり方が正しいかどうかはわかりません。場合によっては門外漢がいい加減に教えているとの誤解を受けるかもしれません。しかし，それでも私は子供たちに話し続けてきました。
　私がこの職業に就いた時，自分の父親から「お前の授業でも1万円，有名な予備校の先生の授業でも1万円。そのことを自覚して自分にできることを考えろ。」と言われたことを覚えています。「自分にしかできない教育」，そのスタートがちっぽけな自分を曝け出すことでした。だから許してくれというのではなく，だからこそ人の何倍も努力して当たり前，その背中を見せて子供たちにやる気と勇気を与えたいという思いから始めたことでした。
　最近ISMの広告用に書いてもらったＢＢくんの「夢」には次のようにありました。
　　　『三重県No.1の数学教師になる』
　これを見つけて年齢のせいか涙があふれてきました。
　私も，もっともっと努力を重ねてＢＢくんに負けない数学の教師になりたいと思います。
　「いつでもかかってこいＢＢ！」