講師ブログ
2008年6月3日
集団授業のもつ影響力
高校部で英語を担当している磯和です。よろしくお願いします。
この数週間前の授業のことです。複数のクラスで以前まで単語テストも確認テストも合格できなかった複数の生徒が毎回合格するようになってきました。どうしてだろうと思い各クラスの点数表を見てみますと、ある一つの共通点がありました。それはその生徒のいるクラスの大半が毎回確実に合格点を取っていることです。この努力し始めた生徒の全てではないにせよ、多くの生徒がクラスの雰囲気(=環境)の影響を受けたのでしょう。人は社会的動物であることから、集団の中の自分、他者に対峙する自分を常に意識しています。だから、生徒は自分と周りの生徒とを比較して今の自分ではダメだと感じ、懸命になるのだと思います。私は改めて集団授業の持つ影響力の大きさを痛感しました。
確かに科学技術や通信技術の発達によって教育形態とりわけ授業形態が多様化し、今日では衛星授業だけでなく自宅にいながらVOD(Video on demand)で授業を見る(受ける)こともできるようになりました。このような授業形態は便利で効率がいい反面、いつでもどこでも自分が好きなときに好きな時間受講する(見る)ことができるため自分を律することができるか、内発的動機がない限り長続きしません。それに対して、集団授業では自分、他の生徒そして講師が相互に影響を与えそして受け合う雰囲気が生まれます。一人の生徒の頑張りがその周りの生徒に伝わり、そしてクラス全体に伝播していく。この目に見えない集団内の力こそが生徒に影響を与え、生徒の中に自主性を生み出す契機になるのだと感じます。
質問をよくしにくる生徒も増えてきました。集団の持つ力によって自主性が芽生えてきたのだと思います。芽の出た葉が蕾になり大きく開花するように私もよい土になれるよう勤めていきたいと思います。