講師ブログ
2023年2月3日
ラストスパートにむけて
小中部の山本です。
大阪に一頭のクジラが迷い込んできました。今から数週間前のことです。
どんな経緯があったのか、淀川に迷い込んできて話題になり、数ある報道番組が取り上げていました。
迷子クジラは潮を噴き上げながら淀川を泳いでいる、というか漂っていました。
私はニュースでその映像を見るたび、だれか専門のプロの人が早く助けてあげてほしい、という願いでいっぱいでした。おそらく誰でもそう願っていたと思います。
しかし結果的に、人間のなんの介助もなくクジラは死にました。発見された報道から3、4日してからのことでした。
クジラが発見された当時、ある報道番組の中で、ポストムツゴロウともいわれる有識者のパンク町田さんがコメントを求められていました。
このクジラの年齢はどれくらいですか?
ーおそらく子どもでしょうね
健康状態はどうでしょうか
ーおそらく弱ってると思います
海へ誘導するとか何か助けてあげられる方法はないのでしょうか
…(長い沈黙)僕は何もしない方がいいと思います
え⁉︎
とっさに私はテレビに向かい声をあげてしまいました。近くに行って栄養補給するとか海へ誘導するとかいっぱいできることあるんじゃないの?だから動物のプロに聞いてるのに
…。
パンク町田さんのその時のコメントを一言一句覚えていませんが、自然の動物は自然のままにするのがいいんじゃないかと僕は思う、という内容だったと思います。
始めは受け入れがたかった答えですが、そのあとずっとそのことが頭を離れずようやく自分なりに納得することができました。
クジラにとってこうするのが幸せであろう、と人間のものさしを基準に情に訴え行動を起こす、それは自己満足でしかなく、自然のものに手を加えるのはむしろおこがましく畏れ多いことなのかもしれないな、と。
しかし今回の迷子の子クジラは自然界で生きるものでしたが、私たち人の世界では子どもの幸せを願いあれやこれやと手を尽くすのは当たり前のことで、それがたとえ我が子でなくても同じことです。
入試シーズン真っ盛りの今、メンタル面で弱っている子、挫折を味わった子、心が迷子になっている子たちを幸せな方向に導いていけるように精一杯支えていこうと思っています。
春はもうすぐです。
ラストスパート頑張りましょう!