講師ブログ
2010年11月19日
『歌うクジラ』の主人公=高校生
高校英語を担当している磯和です。急に冷え込んできました。風邪をひかぬよう体調管理に十分気をつけましょう。高3生のみなさん。焦ったり、不安になったりする時期だと思いますが、自分で決めた選択と自らの可能性を信じて一日一日を精一杯送りましょう。
先日、作家よしもとばななさんが村上龍さんの長編小説『歌うクジラ』の書評を書いた新聞記事に目が留まりました。『歌うクジラ』は22世紀の日本を舞台に、15歳の少年が格差社会のなれの果てを旅する物語で、「生きるとはどういうことか」を深く問いかける内容だそうです。この旅を続ける主人公によしもとばななさんは「私たちに一番、必要な態度」を感じ、以下のようにコメントされていました。
「誰も味方してくれない状況で、自分で決めないといけないということです。たとえ人生で最も重要な問題であっても、どういう選択をするか、自分で決定しないといけないということです」
主人公であるこの少年は大学受験を迎えた高3生、今後迎えることになる高1・2生そのものではないでしょうか。確かに、『歌うクジラ』の舞台はフィクションであり、大学受験は誰も味方してくれない状況ではないかもしれません。しかし、どういう選択をするかを自分で決定しなければならないことは高校生にも当てはまります。それは
文理選択・志望校決定・受験校決定
自分で選択し、決断を下す。よしもとばななさんのコメントにあるように、このことは高校生に必要な態度であると同時に、これから生き抜く上で常に求められる態度でもあると思います。550以上の大学があり、学部・学科が年々多様化していく今日の大学の現況を考慮すると、大半の人が大学をすんなりと決めるのは難しいといえます。
自分は大学で何を学びたいのか。どの大学に、どの学部に進むべきか。この選択と決定に思い悩む一方、自分の 可能性を見つめ、その可能性に賭けてみようとする。いろいろな葛藤の末決断することになるでしょう。ですが、この産みの苦しさこそが一歩一歩みなさんを成長させてくれものだと思います。