講師ブログ
2012年3月15日
縁とベクトル
高校数学担当の青木です。
2012年度の大学入試が終わろうとしています。結果は、人それぞれだと思いますが、この4月から各々の場所で新しい出発をすることになります。思い描いた場所でスタートをする人、不本意な場所でスタートする人、再挑戦をする人、いずれにしても何かの縁で立つスタートラインです。その縁を大切にしてほしいと思います。
僕は、高1に1ヶ月入院した経験-困難な壁との出会い-があります。
1ヶ月間何も勉強することができず過ごしていました。医者に学校への通学が認められたのは、中間テストが1週間後に迫っている時期でした。授業へ出席したところで、どの授業も理解できるはずもなく、「古典は、コテンコテン、漢文はチンプンカンプン」という先生のギャグが分かるぐらいでした。1週間必死で勉強し、なんとか全教科で平均点を取ることができました。このことによって、新たな自分との出会いがありました。
このときまで、僕は英語が好きではありませんでした。ただ、毎日英語を勉強していると英語のリズム、考え方、文化としての言語を徐々に理解できていることに気がつき、英語を勉強することの楽しさと出会うことが出来ました。入院していたのだからと思ってテストを受けていれば、この出来事から何も学ぶことが出来なったでしょう。何より、英語の好きな自分には出会うことはなかったに違いありません。まさに「塞翁が馬」ですね。
どんなことだってチャンスに変えていくことができると思います。目の前に多くの可能性が広がっているにもかかわらず、それに気づかず過ごしがちです。
これからの人生では、今まで以上に困難な壁に出会うことでしょう。義務教育化している高校での教育を終え、ひとりで歩んでいかなければならないからです。困難な壁に出会うとき、私たちはどういう行動をとるでしょうか。その壁を避けることもできます。ただ、壁がその人の前に現れるのは、その人にその壁を乗り越えていくことが出来る「ちから」があるからだと思います。ならば、壁に真正面から立ち向かい、挑戦していくことが大切だと思うのです。
壁を乗り越えたとき、新たな自分と出会う。壁が現れたとき、何かの縁だともって、前向きに進んでほしいと思います。
最後に、次のことを大切にしてほしいと伝えたいと思います。
君たちはこれまで何をしてきたのか、そしてこれから何をしたいのか。
この質問に明確に答えられるような人になってほしいと思います。自分の「ベクトル」をしっかり思い描いてください。それゆえ、失敗を恐れないでください。失敗を恐れていては、新しいことはできません。君たちの未来のために未知に挑戦してください。