講師ブログ
2012年9月24日
虫の声
こんにちは、高校数学担当の森蔭です。
昨日の雨が秋を運んできました。記録的な残暑の後の突然の秋の到来に、体は少し戸惑いがちです。しかし,耳を澄ませば草むらから「秋の虫」の声が聞こえてきます。その懐かしい声を聞いていると、自分自身を深く振り返らされる気持ちになります。夏までまっしぐらに突き進んできた自分をここらで冷静に見つめ直すことも必要です。受験も同じです。ここからは「選択と集中」の時期です。
虫といえば、うちにも「サッカーの虫」がいますが、先日その「サッカーの虫」の長男の所属するサッカー部が、高円宮杯U‐15三重県地区予選決勝に進出したため、応援に行ってきました。結果は惜しくも2-5で負けてしまいましたが、これまでに見たことのないほどのいい試合でした。決してスター選手のいるチームではありませんが、試合に向かうときの自信に満ちた勇敢な顔つき、そして何より試合中もサッカーを楽しんでいる姿は清々しい思いにさせられました。また、それはレギュラーメンバーだけでなく、ベンチにいるメンバーも、監督などのスタッフにも一貫されており、見るものに期待と感動を与えてくれました。
彼らは夏休みも2・3日程しか休まずに、朝から晩まで練習づけの毎日でした。雨の日も休まずトレーニングを続けてきました。そんな「サッカーの虫たち」に試合終了を告げるホイッスルが鳴ったとき、彼らは黙って整列し、相手チームの健闘をたたえ静かにピッチを降りてきました。子供たちの頬には汗まじりの涙が流れていました。そのあまりにも立派な姿に声をかけることすらおこがましい思いで、私は彼らをじっと見守っていました。反面、私は心の奥で彼らの声を、「サッカーの虫」の声を聞きたいという思いにもかられていました。すると突然、ピッチ際で大声を出して呻きながらひざを折る人の姿が目と耳に飛び込んできました。チームの監督の姿でした。それはまるで「サッカーの虫たち」の声にならない声を代弁しているかのように見えました。私は誰もいないスタンドで彼の後ろ姿をじっとみつめていました。
サッカーの虫であれ、勉強の虫であれ、虫たちにも声があるはずです。出したくても出せない声があるはずです。私も一人の指導者として、そんな声の代弁者でありたいと思います。頑張るのは彼らです。しかし、その頑張りをしっかりと見て、それを受け止めてやらなければいけないと、その監督の姿を見て再認識させられました。
ISMの子供たちも、特に受験生は不安で押しつぶされそうになることもあるでしょう。でも私たちは君たちの頑張りをしっかり見ています。頑張ったら頑張った分だけ大きく、高く跳べると信じて。