講師ブログ

小中部の山本です。
私の受け持つ生徒の中に、どうしても国語という教科に向き合えない、といった悩みを持つ子がいます。
文章に対する嫌悪感、恐怖感が先立ち、腰が引けてしまうようです。
私の方でも、小学校の低学年向きの易しい教材を選んだり、音読をしながら意味を噛みくだきながら一緒に問題文にあたったり、あの手この手を使ってみましたが、なかなかうまく波に乗ってくれない時期がしばらく続きました。
毎回の漢字10問テストは、予め課題を渡しておき、満点取れなければ次のテストに進めていけないことになっていましたので、彼は毎回毎回、同じ問題にあたっていました。前回のテストで書けていた漢字が、不思議にも今回は書けなくなっている、の繰り返しです・・・。
が、そんな彼もついに1ヶ月後に満点をとることができました！
その時の彼の喜びようはシュートを決めたサッカー選手のようにとてつもなく跳ね回り、私自身もうれしくてうれしくて彼と手を取り合ってキャアキャアはしゃいでしまいました。
そこからの彼の勢いはすごかった！
次の授業時には、あんなに苦戦していた漢字テストをやすやすと1回で満点合格をしてのけてみせました。音読も張り切ってきかせてくれました。
小さな自信が彼を大きく前進させたこと、子供の可能性を目の当たりにした出来事でした。
私はこの仕事に携わって20年近くになりますが、日々の子供との関わりの中で、子供に秘められた可能性が開花した瞬間に幾度となく遭遇し、今ではこの瞬間が自分の仕事のやりがいを一番感じる瞬間だとさえ思うようになっています。
お勉強に対して悪戦苦闘している子供が伸びる秘訣は、「小さな成功体験→自信→がんばる→続ける」のサイクルを作ること。もちろん一番最後のステップの「続ける」が一番難しいのですが・・・。そしてそのお手伝いをすることが、塾講師として私にできる使命であると信じています。
冬期講習がもうすぐ始まります。
この冬はどの子がどんなドラマを見せてくれるのか、今からワクワクとっても楽しみです。
小中部　山本亜弓