講師ブログ
2008年10月7日
視点のズレが教えてくれるもの
こんにちは。高校英語の磯和です。
先月大阪の現役専門予備校の授業研修に参加させてもらったときのことです。そこの塾長さんから「講師は常に生徒さんの視点でどう取り組むかを意識することが大切」とお言葉を頂きました。忘れかけていたことを痛感させられた一言でした。これまでとかくこちら側(教える側)の視点からどう生徒に説明したら理解してもらえるかということに専念しすぎていたため、子どもたちの目線で授業に取り組むことが等閑になっているのではないかとはっとさせられたのです。
そこで「子どもたちの視線に立つ」とはどういうことなのかいろいろと考えてみました。ですが、「これだ」という明確な答えはなかなかでてきません。子ども一人一人の視点は様々であるから、その視点を一つに集約すること自体無理なことなのかもしれないと思ったそのとき、待てよ。目の前で教えている子どもたち一人一人の視点を観察してみてはどうだろうかとふと思いました。子どもたちがつまずきやすい箇所、理解しにくい箇所はどこなのかを自分で考えることも大切だが、子どもたちがどこができていて、どこができていないかを観察することが子どもの視点から授業に取り組むヒントを与えてくれるにちがいないと思うに至りました。
早速、確認テストや授業中子どもたちのところに行って理解、定着の度合いを観察してみると、教える側の視点と子どもたちの視点にはズレがあることがよく分かってきました。こちらがこれは大丈夫だろうなと思うことであっても、分かっていないことや、できていなかいことが結構あったり、一回授業しただけでは押さえてほしいポイントが必ずしも押さきれていないケースが多いことにも気づかされます。お互い(講師と子どもたち)の視点のズレは教える側の視点に立った授業では気づきにくいものです。一人一人の生徒がどこかでき、どこかできていないのかを把握することなく授業を進めても結局のところ単なる知識の一方的な伝達に終わってしまう恐ろしさを感じました。授業とは受動的なものではなく双方が関与し合い、一回一回変化するまさに「生きもの」であることを思い知らされます。
「こどもたちの視点から授業に取り組む」。試行錯誤しながら思うように行かないこともありますが、毎回子どもたちのそばに行き、視点のズレを発見し、次回の授業でそのズレを修復していこうと思います。そうすることで、知識・考え方の定着をこれまでより図ることができるのではと実感しています。
視点のズレの発見。このことが生徒の視点から授業に取り組む私なりの第一歩です。