進学塾ism

お知らせ/コラム

講師ブログ

 こんにちは。高校数学担当の森蔭です。
 早いもので、とうとう夏休みに入りました。ISMでも7月22日から夏期講習が始まり、子どもたちは朝早くから、夜遅くまで毎日がんばっています。
 ウチにも小学4年生の息子と小学1年生の娘の2人の子どもがいますが、夏休みに入ってからはとても賑やかで、私は毎朝、母親と子どもたちの闘う声で起こされます。
 森蔭家の教育方針は「親父は普段黙って、最後に出る」というものなので、私はあまり細かいことは言いません。しかし、母親ではどうしようもなくなったと聞かされたときには私の出番で、子どもたち(圧倒的に息子が多いのですが)は私に呼ばれて、私の前に正座させられて説教を受けます。
 つい先日、偶然息子の朝寝坊の現場に遭遇しました。息子はサッカーばかで、放っておけば、朝から晩までサッカーをしています。そこでウチでは、「毎朝6時に起きて、宿題を30分して、その後リフティングの練習を30分して学校にいく」とい約束をしています。ところが、1学期の終わりごろからどうもそれがいい加減になってきたらしく、先日私に朝寝坊を見つかってしまいました。見つかったときは、モジモジして私と目を合わせず、おもむろに宿題を始めたのですが、宿題が終わった後、許してもらえると思ったのでしょうか、宿題を終えたことを報告し、朝寝坊のことを誤魔化そうとしました。その瞬間私の雷が落ちて、息子はサッカーをやめさせられる寸前までいきました。私は何よりも人との約束をいい加減にし、それを誤魔化そうとした息子の態度が許せなかったのです。そして、ひとしきり叱った後、結論を出すために、私は息子に「お前は、何度も約束を破ってきたが、これからは絶対に約束を破らないのか。」と聞きました。私は、この問いを発しながら「絶対か?子どもにはちょっと酷かもしれんなぁ。はいと言えば今回は見逃してやろうか。」と思っていました。ところが息子はすぐには返事をしませんでした。涙を流しながら、下唇を小さく動かして声にならない声で何やら繰り返しています。私が耳を近づけながら「大きな声でいってみろ。」というと、彼は言葉に詰まりながら「約束を守ることが、たいせつだということを、いつも心の中に、もって、いれば、守れると、おもいます。」と言いました。涙が出るほどうれしい瞬間でした。いつの間にか、物事の是非(白か黒か)を越えた事柄に対して考える力、それを表現する力がついていることを知らされました。「はい」とも「いいえ」とも答えられないことは世の中には、たくさんあります。しかしそこから逃げることなく誤魔化すことなく立ち向かう勇気を、私は小学4年生の子どもから教わりました。
その後、私は彼の腰を抱いて持ち上げてやりました。知らぬ間にとても重たくなっていました。

ページトップに戻る