進学塾ism

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講師ブログ

 こんにちは、高校数学担当の森蔭です。
 早いものでもう7月です。今日から多くの高校で1学期の期末試験が始まりました。それが終わると長い夏休みです。高校3年生にとっては前半戦最後のチャンスです。ここから皆、さまざまな戦術を駆使して攻めあがってきます。気を抜いたらおしまいです。
 6月11日にサッカーW杯南アフリカ大会が開幕して、ベスト8が出揃いました。日本代表の戦いには多くの日本人が胸を打たれましたが、ISMの子どもたちの間でもその話題でもちきりです。
 サッカーといえば、ウチにも小学5年生になるサッカー馬鹿の息子がいます。先日、その息子の所属チームのトップチームメンバーの発表がありました。息子は5歳のころからサッカーを始め、ずっと同じチームに所属し続けています。下手の横好きが6年かけてやっとここまでたどりつきました。前評判では息子のトップチーム入りは有力視されており、本人も少し自信をもっていました。しかしふたを開けてみると、トップチームのメンバーに息子の名前はありませんでした。落選の結果は家内から電話で聞かされて知っていましたが、親としてどう接するべきか正直いって迷っていました。発表当日の夜、練習から帰ってきた息子はいつになく明るい笑顔で「ただいま。」と私のいる部屋に入ってきました。その笑顔を見た瞬間、私の迷いは吹っ切れました。こいつなら大丈夫と。私はすぐに息子をそばに呼び、「なぜ、自分が落選したと思うか言ってみろ。」と息子に迫りました。はじめ、息子は何も言わずうつむいていました。そのうち、ポツンポツンと涙が息子の足の甲を濡らしはじめました。その涙の意味は十分理解できました。しかし、私はもう一度「言ってみろ。」と迫りました。すると息子は涙をぬぐいながら、「僕の、プレーは、まだ、ミスが多いし、ゴールに、対する、積極性が、ないと、思います。」と言いました。魂がつながった瞬間でした。私は息子の肩を抱き、「人の値打ちは失敗をしたときに決まる。自分の欠点を自分の言葉で語れる男になれ。」と言いました。息子は小さくうなづきました。
 日本代表の戦いがあそこまで人の心を打ったのは、そこに彼らの魂が感じられたからです。そこに至る道のりはきれい事ばかりではありません。厳しい批判もありました。しかしそれを乗り越えたからこそつながり合えたのだと思います。だからこそ「魂」という字は「鬼が云う」と書くのだと。
 これからも私は息子に対するのと同様、ISMの子どもたちにも厳しいことを言うでしょう。魂をつなげるために。

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