講師ブログ
2010年9月3日
先生のように
夏休みが終わりましたが、充実した夏休みを過ごせましたか?
私(牧田)は、ISMの夏期休暇中に、半年に1度程度行く娘の診察に行きました。もうすぐ5歳半になる娘、まだお腹の中にいた妊娠7カ月目の検診で「少し気になることなのですが・・・足の長さが片方短い気がします」と言われたのが最初でした。その後の検診でも、左足が少し曲がっているということで、大学病院に移ることになったのです。
大学病院で出会った、担当のお医者さんは、とても不安な顔をした私に「曲がって見えるけど、そこまで大きく曲がっていないし、実際、生まれてこないことには分からない。お母さんが心配していたら赤ちゃんも神経質になるよ。大丈夫、自信をもって。」と励ましの言葉をかけてくれました。その後も検査のたびに詳しく説明してくれ、とても勇気づけられた気がします。結局、原因は分からないまま、出産。生まれてきた娘はやはり左足の太ももの骨が少し曲がっていました。大学病院から、小児整形の専門の先生がいるからと紹介されて通いだしたのが、この夏も行ってきたリハビリテーションセンターなのです。
最初は、不安で1年に4回ほど診察に通っていました。ここの先生はいつも笑顔で色々詳しく説明してくれます。「骨形成不全症だと思います。白目の部分が青みがかっているでしょ。骨の弱い人にはよくあるんですよ。でも本当にレベルはさまざまで、すぐに骨折してしまうお子さんから、ほとんど骨折などせずに普通に生活している子もいますよ。足の長さは2センチ5ミリほど左足の方が短いけれどこの先どうなっていくかは経過観察でいいと思いますよ。今すぐ手術してということは考えなくていいよ。」と言い、パソコン上で色々なケースの写真を見せてくれました。その後、「実は僕も生まれつき左腕と右腕、左足と右足の長さも太さも違うんだ」と言い、先生が腕を伸ばし左右の長さが違うこと、さらに靴のかかとの高さを変えることで足の長さの違いを調整していることを見せてくれました。太さについてもズボンの裾をめくってかなり違いがあることを見せてくれました。この先生と話をしていると、不安な気持ちがなくなり、不思議と前向きな気持ちになります。
この夏行った時も、センター内にはたくさん車いすや歩行器を使っている子どもたちがいて、中には脳の病気からうまく会話ができず、体も思うよう動かせない子どももいました。先生は1人1人に診察の合間に声をかけ、「次は~なことに挑戦してみようか」と笑顔で接していました。子どもたちも、先生が通ると、自然と笑顔になっているのに気付きました。そして一生懸命歩行器を使って訓練している様子にとても感動しました。
うちの娘は半年に1度程度の経過観察なのですが、先生は半年前にした話の内容を覚えていてくれたり、娘が前と比べて少しぽっちゃりしてきたことなどに気づいてくれてます。また行くたびに、写真をとって、娘の好きなキャラクターを入れて、メッセージつきで自宅に送ってくれます。予約を入れる時にはいつもいっぱいでなかなか予約がとれないほど忙しいはずなのに、そんなことも感じさせず、一人一人に接する先生の笑顔、言葉に今回も感動しました。そして、もう一つ、このセンターで見た子どもたちが一生懸命に歩こうと努力している様子、車いすを自分で操作することに取り組んでいる姿、積極性にも感動しました。
さみしいことですが、最近ISMでもすぐに「無理」、「わからん」といった言葉を耳にします。自分で限界を決めてしまってはいけません。挑戦して、努力して、結果をしっかり受けとめ、さらに次に活かすという姿勢をもってほしいものです。そのために、私も、娘がお世話になっている先生のように、子どもたちをもっと前向きな気持ちに変え、いつも子供たちが笑顔でいられるよう努力していこうと思います。