講師ブログ
2011年5月6日
“当たり前”の奇跡
小中部の世古です。
沖縄地方ではもう梅雨入り。今年もあっという間ですね。まさに「光陰矢の如し」
毎年、毎日、過ぎる時の速さに振り落とされそうになりながらも、なんとかやってます!
「もっともっと時間が欲しい。」そんなことを思う今日この頃です。
そんな私は、このGW休暇で『犬島』を訪れました。
犬島とは、岡山県南東部の宝伝から定期船で5分ほどの瀬戸内海国立公園内に位置する岡山市唯一の有人島です。1909年から1919年まで島の東南部で銅の精錬を行っていたそうです。犬島製錬所が開設、営業されていた最盛期10年の間には住民は3,000人を越えましたが、犬島製錬所の閉鎖と採石業の衰退により、現在では人口は約56人、平均年齢75歳という典型的な過疎地となっています。そこで、2008年から島の再生をかけてさまざまなプロジェクトを行っています。現代アートを取り入れ廃墟を観光地化したのです。私が訪れたときも、老若男女、たくさんの観光客がこの島を訪れていました。
この島には、私の過ごす毎日とは全く違う、ゆったりとした時間が流れていて、廃墟から伝わるおよそ100年前の息吹を感じ、さらには現代アートの奥義に感動しつつ、とても居心地の良い時間を過ごしました
しかし同時に、ゆったりとした時間に潜む影をも感じ、とても複雑な気持ちにもなりました。私が訪れたときには島民の方をみかけることはほとんどなく、犬や猫の姿も全くありませんでした。さらには、数少ないお店も観光客向け、定期船も一日数えるほどしか出ていません。思えば、街灯のようなものもなかったので、夜はきっと暗闇に包まれひっそりとしているのでしょう。それは廃れた島の時間が止まったままであることを思わせるものばかりでした。
島の再生とは、島民の再生です。一時の観光客のにぎわいではなく、活気のある島民の再生こそが最も必要なのだろうと感じました。
今、日本全国で東北地方太平洋沖地震による被災地復興支援をよびかける声が多くあがっていますが、被災地の復興も島の再生と同じだと思います。被災地では今でも続く余震に多くの方が不安を感じ、一刻も早くこのつらい時間が過ぎ去ってくれないだろうかと願っていることと思います。その気持ちを和らげ、意識のなかに存在しない“時”を過ごせるようにしていくことこそが、復興(再生)なのだと思います。時が過ぎるのを待つのではなく、過ぎる時を忘れるくらい活気のある毎日が一日でも早く再生することを心から祈っています。
今回の旅では、「光陰矢の如し」そんな風に感じながら生きていることがいかに贅沢なことかと気付かされた旅になりました。わたしたちが何もしないで受け取っているものは、何らかの恩恵なのでしょう。当たり前の中の奇跡・・・今はあっという間に時間が過ぎるこの毎日に感謝の気持ちでいっぱいです。
忙しい毎日を送っている皆様!それは恵みです寸暇をうまく利用すれば、いかなる戦いにも勝利を博するチャンスです