進学塾ism

お知らせ/コラム

講師ブログ

  高校部で英語を担当している牧田です。
  今回は、この4月から、高校1年生に新しく開設された基礎セミナーについて書こうと思います。まだまだ、このコースが何をどんなふうにやっているのか知らないという人も多いのではないでしょうか。このコースは、まだ勉強の仕方がよく分からない、学習習慣が身についていないという子たち向けのものです。自らが主体となって、あるテーマに関して、下調べをしてきて、授業内で発表し、それぞれの意見について仲間と議論し合い、答えを導き出していくというものです
  4月当初、子どもたちは、このコースがよく分からないということもあって希望者はほとんどいませんでした。進度が本科コースと異なることに不安を抱いている子たちもいました。ただ、せっかくすばらしいものを持っているのに、まだそれが発揮できていないのではないかという子たちもいます。そこで、ぜひ自分の持つ可能性を自らの力で発掘してもらいたいという子には、中学のころからよく知ってもらっており、基礎セミナーの数学の担当者でもある東先生から声をかけていただきました。実際、その子たちは全員このコースを受講しています。
  さて、実際1カ月が経ち、子どもたちはどんな感じなのか。
1回目、2回目の授業は子どもたちも自分なりに予習をしてきて、緊張した中での発表となりました。1回目は「be動詞って何?」「一般動詞とのちがいは?」といった内容でした。あまりそれについて考えたことがなかったというものの、辞書を引いて例文をいくつか挙げてくれた子、自分なりの意見を述べてくれた子と、さまざまでした。また、英文をいくつか提示して、間違いはないかどうかを判断してもらい、間違っていると思う時にはその根拠も述べてもらいました。それでも、最初は、子どもたちよりも私が発言する量がかなり多かったように思います。3回目くらいの授業になると、少し手抜きの予習になったり、まったく予習をしてこなかった子もいました。ここで、このコースの目的を再確認し、子どもたちと「必ず全員が自分の意見を述べれるように、また、疑問に思う箇所を指摘できるように予習をして授業に臨む」という約束をしました。以来、子どもたちはこの約束を守ってくれています。
  最近の授業中の子どもたちの発言を少し紹介しますね。
A君:「僕は~だと思います。だって・・・だから」
B君:「僕は違うと思います!○ ○になると思う」
私:「何で?」
B君「~だから」
C君:「B君と同じ意見です。」
私:「何で?」
C君:「△ △だから」(*B君と同じ理由だけれど、自分の言葉で発言しています)
A君:「あ、そっか、最初に~と言ったけどやっぱりそやなあ。~やもんなあ。」
D君:「じゃあ、もしそこが~やったら、□ □になるってこと?」
A君:「そうやなあ、だって・・・やもんな」
  子どもたちは積極的に発言し、私が「何で?」と尋ねると、誰も「カン」「何となく」「適当」という返答はしません。きちんと自分なりに考えた根拠、調べてきた内容を述べてくれます。それぞれが発言した内容は、それがたとえ間違ったものであっても黒板に書いてみます。すると、こちらから指名しなくても、自然に意見が飛び交うようになってきました。時には、同時に発言しようとして、子どもたちの間で発言の順番を譲りあったりもしています。
また、色々な意見が出てくると、お互いにあれやこれや言いながら真剣に考え、自分たちで解決しようという姿勢が見られます。
  数回前、授業が終わった後、こんなことを言ってくれた子どもがいます。「なんかおもしろいなあ。というか、やりがいがあるなあ。自分で調べてきたことがみんなの前で取り上げられて、あれやこれや言いあうのは。」「今まで、なんか覚えることがいっぱいで英語はいややと思っとったけど、ちょっと考え方が分かってきた気がする」と。
  まだ、確かにみんなの前で発表することが苦手という子もいますが、それでも少しずつ自信を持つことができるようになってきたように思います。互いに、声をかけながら、励ましながら進めていけたらなあと考えています。

ページトップに戻る