進学塾ism

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講師ブログ

 こんにちは。牧田です。今日は記憶力についてお話しようと思います。子どもたちの記憶力の低下についてはよく言われます。(子どもに限ったことではないのでしょうが。) 例えば、高校1年生は、週2回授業がありますが、それでも復習テストをすると前回の授業内容がすっかり消えてしまっているということがあります。「復習していないからだ」と言ってしまえば、それまでなのでしょうが、それでは何の解決にもなりません。では、「なぜ子どもたちは、復習しないのか。また少し見なおした程度では記憶に残らず、すぐに忘れてしまうのか。」と考えていた時、大学時代教育心理学で学んだ人間の記憶力について思い出しました。
 みなさんも、ドイツの心理学者、エビングハウスの忘却曲線については聞いたことがあるかもしれません。彼の実験結果は次のようなもです。
          20分後 1時間後  9時間後  1日後  6日後  1ヶ月後
覚えている割合  58 %   44 %    36 %   26 %   24 %    21 %
 これだけを見ると、「こんなにも人は覚えた事を忘れていくのか、どうすればいいんだろう」と思い、やる気をなくすかもしれません。
 しかし、彼の実験は「無意味綴りの暗記」というもので、意味のない「RUP・GOX・PIM」のような3文字綴りをただ暗記したというもの。全く意味を持たない言葉を一方的に「暗記しなさい」と言われても、学習者に意欲が生じるはずがありません。何でもかんでも、「機械的に覚えさせられる」という状態で、頭に詰め込もうとするのは健全ではないし、自分にとって不要だ、つらいと思うものは「忘れてしまおう」という働きが生じてしまいます。
 だから、ただ子どもたちに「これは大切だから覚えておきなさい」と言うだけではだめなのです。 私たち、教える立場のものにとって、それがどれだけ大切だと思っても、子どもたちが本当に「意味のあるもの」だと感じなくては意味がない。そこで、まず毎回の授業を子どもにとって意味のあるものにするため、記憶としてしっかり残すため次のことをこころがけようと思いました。
① 新学習内容についてはその意味を明確にし、子どもたちの既得知識と関連付ける。
② 子どもたちが、体験を通じて学習できるようにする。
  もちろん、意味のあるもの、面白いと思ったもの、興味があるものについては忘れにくいはずです。だから、ただ子どもたちに「覚えなさい」というのではなく、私の方で授業の組み立て方、内容の提示の仕方について毎回しっかり考えていかなくてはと思っています。その一方で、子どもたちに復習を大切にするよう声がけは続けていきたいと思っています。

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