講師ブログ
2012年6月18日
夏の風物詩
梅雨に入り、はっきりしない天気が続いています
こんにちは、小中部の大川です。
先日、わたしの住む地区で「蛍の鑑賞会」があり、子どもと一緒に参加しました。
つい最近も中学2年生の授業の「枕草子」で
「蛍の多く飛びちがひたる」と、わけ知り顔で朗読したところですが……
実は蛍を間近で見たのは今回が初めて。
わたしの住む家のこんなに近くに、こんなにたくさんの蛍がいたとは
明滅する、無数の光。本当にうれしい驚きでした。
蛍は昆虫のなかまで、カブトムシやコガネムシと同じ甲虫類に属しています。
成長の仕方もカブトムシのように完全変態で、
たまご→幼虫→さなぎ→成虫と変化します。
わたしたちが見ている「蛍」はこの「成虫」にあたる時期で
わたしが見たゲンジボタルだと、たった二週間たらずだそうです。
わたしは川というには少し気がひけるほどの、用水路のような所で鑑賞しました。
しかし、その川の岸は自然のまま、土があり木が生い茂っていました。
ゲンジボタルの生息には、餌であるカワニナという巻貝が必要です。
蛍の産卵場所である川岸の岩や木の根元のコケ、
幼虫が生活する清い川、
それに幼虫がさなぎになるためにもぐりこむやわらかい土。
どれもゲンジボタルが生息するために必要なものです。
鑑賞中、講師としていらしていた刀根さんに質問する機会があり、
たくさんのことを教わりました。
日本での種類のこと、幼虫がもっている毒腺のこと。
はっと気がつくと、うちの子は…一生懸命蛍を捕獲しようとしていました
「ほたる」という言葉は「万葉集」や「日本書紀」にすでに見られます。
「火を垂れて飛ぶ虫」=「ひたれ」が語源ではないかといわれています。
初夏の訪れを告げる「蛍」は千年以上も日本人の心を捉えてきたのだと思うと、
その幻想的な姿に悠久の歴史を感じます。
そんな蛍の生息できる環境の大切さ。
さまざまなことに思いを馳せた、いい体験でした。
下の子は蛍を触って「熱くない」といってました。