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2020年度から大学入試制度が大きく変わろうとしています。「センター試験」
が廃止され、新たに「大学入試希望者評価テスト(仮称)」が導入されます。
現在のセンター試験はマーク式の選択方式ですが、新しいテストでは
「知識・技能」の確認に留まらず、その「知識・技能を活用する力」、「思考力・
表現力」までを問うことを目的とした、記述式も導入されるそうです。
特に英語については、4技能を総合的に評価できる問題の出題(例えば
記述式問題など)や民間の資格・検定試験の活用により、「聞く」「読む」だけ
ではなく「話す」「書く」も含めた英語の能力をバランスよく評価するとされて
います。具体的にどのような内容になるか詳細はまだ発表されていませんし、
場合によっては外部試験に取って代わる可能性も十分考えられます。
「英語教育の在り方に関する有識者会議」報告書(平成26年9月26日)に
以下の内容があります。
「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」独自の問題作成を行うべきか、
民間の資格・検定試験に全面的にゆだねるべきかについては、4技能を
踏まえた作問の質に加えて、日本人の英語力の現状を踏まえたテスト開発
の在り方、各試験間の得点換算の在り方、受検料など経済格差の解消、
受検機会など地域格差の解消等に関する具体的な検討が必要であり、
今後、学校関係団体、試験団体、経済団体、大学入試センター等が参加
して設置された「連絡協議会」において速やかに検証が行われるよう
求める、とあります。
この報告書からわかることは、英語に関しては「大学入学希望者学力
評価テスト」ではなく、英検、TOEFL(トーフル)やTOEIC(トーイック)、
IELTS(アイエルツ)などの外部試験で受験者の英語力を判断することも
ありえることになります。現に、一部の大学(主に私立大学)ではすでに
英語の試験に代わって外部試験を活用しています。
これまでの文法や英文解釈、和文英訳、長文読解といった受動的な
英語学習から、自分の気持ちや考えを英語で書き、話す能動的な英語
学習に転換していく流れは望ましい方向だと思います。ただ、問題点が
2つあります。1つはspeakingやwritingの教授法や指導法をこれまで受け
てこなかった人がどう子どもたちを指導していくのか。もう1つは、現在の
「センター試験」より明らかに難易度の高い外部試験(例えば、TOEFL・
IELTSなど)になった場合、英語にかける学習時間が今以上に多くなる
のは必至で、他教科を学習する時間に大きな影響を与えることです。
2020年度からの新制度は子どもたちだけでなく、教える側にも大きな
変革です。この変化に対応できるよう準備する必要性を痛感します。
高校部 磯和

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