講師ブログ
2016年2月1日
安全基地
小中部 世古です。
2016年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、1月末から、私立高校の入試が始まりました。受験生の全員がこの日のために努力してきた成果を存分に発揮できるように、子どもたちの様子をしっかりと見て、応援団に徹していきたいと思います。
アメリカ合衆国の心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱した人間の愛着行動に関する概念で、「安全基地」という考え方があります。これは、脳科学者の茂木健一郎さんも著書の中で注目されていますが、「子供は親との信頼関係によって育まれる『心の安全基地』の存在によって、外の世界を探索でき、さらに、戻ってきたときには喜んで迎えられると確信することで帰還することができる。」というものです。
この不確実な世界を生きていく上では「安全基地」としての「心のよりどころ」があれば、不安感に押しつぶされることなく、前向きに生きていけるように脳が働いてくれるそうです。
子どもに接する立場として自分はどうあるべきか、どう指南すべきかをつねづね悩んでいる私にとって、この概念は非常に興味深いものでした。
特にこの時期の受験生に対して、子どもたちに何かを強制するような声がけや過剰な干渉は意識的に控えなければいけませんし、プレッシャーを与えるような声かけで、勝利至上主義、ミスを許さない空気を助長してはいけないということを、教育の現場にいる私もきちんと心にとどめておきたいと思います。そして、これからも子どもたちの「安全基地」の一助となって、子どもたちの挑戦を応援し続けていきたいと思います。