進学塾ism

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講師ブログ

 こんにちは、高校数学担当の森蔭です。
 早いものでもう9月も終わろうとしています。高校3年生にとってはセンター試験まで残すところ100日とちょっとです。10月になれば毎週末に模試が行われ、現実を突きつけられます。ここからは自分と向き合う時間が続きます。それはある意味で孤独な時間です。そのとき大切なのは自分との向き合い方です。
 9月20日からラグビーワールドカップ日本大会が開催されています。私も学生時代にラグビーをしていたのですが、その頃にはまさか日本でラグビーワールドカップが開催されるなど考えたこともありませんでした。ましてや日本代表が世界の強豪を相手にここまでの戦いを見せてくれるなんて夢にも思えませんでした。
 ラグビーはサッカーと同じフットボールでありながら、その競技の特殊性からまだまだ競技人口の少ないスポーツです。しかし、ラグビーファンにとってはその特殊性こそがラグビーの魅力なのです。ラグビーにはたくさんの魅力がありますが、それを一言で言い表すなら、ラグビーを貫く『リスペクトの精神』です。
 ラグビーの試合を初めて生で観た人はそこで聞こえる「音」に驚かされます。選手同士の身体がぶつかるときに出る衝撃音です。それだけの衝撃を受けながらも選手たちは決して痛がらず、倒れてもなお立ち上がり相手に向かっていきます。観る者にはそんな選手たちへの「リスペクト」が自然と湧き上がってきます。
 また、ラグビーでは相手のどんなプレーに対しても文句を言いません。ましてやレフェリーの判断に異議を申し立てることなど絶対にありません。選手たちはピッチに立つために激しく苦しいトレーニングをします。だからこそ自分たちと同じ努力をしてピッチに立つ相手を「リスペクト」し、それを知っている審判に全権を委ねるのです。
 そして試合の最後を告げるノーサイドの笛が鳴ったとき、敵味方の垣根を超えてお互いを称え合います。これはピッチ上のみならず観客席でも同じです。ラグビーはサッカーと違い観客席にホームとアウェーの区分はありません。その場所にいる全員で全ての選手を称え合い、選手たちも観客を含む全ての人たちに「リスペクト」の意を示します。そしてそのとき、ラグビーの試合に関わった全ての人たちは自分自身がその「リスペクト」に応えることのできる人間になろうと新しい挑戦への決意をするのです。
 大学受験も同じです。そのピッチに立てることを誇りに思い、それにふさわしい自分であれるように日々自分自身と向き合い続けるものだと思います。そのとき大切なのは目先の目標だけにとらわれないことです。自分が大学受験に挑む目的は一体何なのか、目標ではなく目的に集中することです。
  何に例えよう 君と僕を 踵に残る似た傷を
  晴れ間を結えばまだ続く 行こう花も咲かないうちに
 皆の受験勉強同様にラグビーワールドカップの熱戦はまだまだ続きます。勉強に行き詰ったときには、ラグビーの試合を少し観てみてください。米津玄師の「馬と鹿」を聴きながら。
 学生時代の試合の帰り道に噛んだLemonのハチミツ漬けの味が少し恋しくなってきました。

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