進学塾ism

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先日、NHKで日野富子さんについての歴史番組を観ました。
日野富子さんといえば、「日本三代悪女」の一人にも数えられている人物です。室町幕府の将軍家で強大な権力をもち、政局混乱の裏には必ず富子がいたとされています。さらには、応仁の乱は日野富子が原因で起きたとも言われています。
私も学生時代にそのように教えてもらいました。そして、ISMでもそのような話をしながら授業をしておりました。
しかし、日本中世史研究家 呉座勇一さんによる最新の史料分析では、本当の日野富子は幕府のために身を粉にして奔走した人物だったというのです。では、なぜ「悪女」と言われるようになったのか。それは彼女の死後に、都合よく政治利用された上に、徐々に曲解されていった「富子像」解釈の歴史にあったというのです。
 その番組を観て改めて歴史の面白さを感じました。教育現場においては、歴史にはあたかも単一の事実があるかのように教えることがほとんどですが、そうではなく、歴史は様々な解釈が可能であるという歴史認識を子どもたちに教える必要があると感じました。それが実現できれば、歴史の魅力をもっと伝えられるのではないかと思います。
私ももっと教材研究や史料研究をして、自分なりの解釈を見つけていきたいと思いました。
小中部 世古

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